タックスヘイブン対策税制の改正について(1)
平成17年度税制改正でタックスヘイブン(TH)税制の緩和と厳格化が行われる予定です。
まず緩和化ですが、3点あります。
1)合算される課税所得の損金算入期間を5年から10年へ延長
2)合算課税に関する特定外国子会社等の欠損金繰越期間を5年から7年へ延長
3)合算課税の対象となる留保所得の見なおし
特に3)については重要です。たとえばシンガポールの法人税率は現在25%を下回り22%になっていて2005年賦課年度にはさらに20%に引き下げられるかもしれないのですが、この税率引き下げが既に日本から進出している日系企業にとっては問題となっています。
つまりシンガポールにきちんと実体をもって経済活動を行っている企業であってもTH対策税制の対象になり、日本で合算課税されることになります。これはペーパーカンパニー設立による違法な海外への所得移転を許さないが、企業の海外での合理的経済活動までも妨げるものではないとするTH対策税制の趣旨に反することになります。
そこで改正要綱は
「事業基準(持株会社や投資会社、知的所有権管理会社でない)
実体基準(事務所、店舗、工場などの固定的な施設がある)及び
管理支配基準(事業の管理・支配及び運営を自ら行う)を満たしてはいるが、
所在地国基準(事業を本店所在地国で行う)又は
非関連者基準(事業を関連者以外の者と行う)を満たさない場合における
課税対象留保所得金額は未処分所得の金額から直接人件費の10%相当金額を控除した金額とする」
と述べています。
たとえばシンガポール法人はこのケースに該当します。つまり、金融統括会社あるいは経営統括会社をシンガポールに置くケースでは、事業、実体、管理支配の3つの基準は満たしますが、役務提供はシンガポール国内で行うわけでもありませんし、取引は第3者とではなくグループ関係会社間で行われるため、所在地国、非関連者基準のいずれも満たさない場合があります。
例:シンガポール法人の役務提供収入 1000 万USドル
人件費合計 500
その他経費 300
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当期利益 200
当期利益が課税留保所得と仮定すると改正前であれば200万ドルに対しての税率が
改正後は、200-(500x10%)=150万ドルに対して課税されることになります。
経費のなかで人件費の占める割合が大きいマネジメント会社や金融統括会社はこの改正のメリットを受けることになります。
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