パナマ船籍をとるための会社はタックスヘイブン税制で課税されるのか?
松山地裁で今後の国税当局の動向が着目される判決がでました。
A社はパナマ船籍をとるための100%子会社B社をパナマに設立しました。パナマはタックスヘイブンなのでここで儲けた利益は親会社であるA社の利益として合算課税が行われます。これはタックスヘイブン対策税制の本旨です。
しかし、A社の子会社B社は設立後赤字続きだったので、その赤字をA社の利益と相殺してA社は毎年確定申告をしていました。子会社B社の損失と親会社A社の利益を相殺した点について税務調査で更正、追徴課税されたことにA社は納得がいかず、裁判となりました。
地裁の判決は、A社の全面勝訴となり、国税当局は敗訴しました。現在上告中ですが、高裁での判決が注目されています。
勝訴のポイントは、そもそもパナマに会社を設立したのは租税回避が目的ではなく、船籍取得が目的であったこと、またパナマの会社には全く実体が無く、B社に所有する資産や負債などもすべて実質的には親会社であるA社が所有しているものであったこと、B社設立以来継続してB社の赤字をA社の損益として申告していたことなどから、地裁は納税者に勝訴の判決を下しました。
タックスヘイブンだからといって、常に儲けがでるとは限らないことはビジネスですから当たり前の話なのですが、この点税法がカバーできていないことがこのような判決に至った原因です。常に国税当局の主張することが正しいとは言えないということが、明確になった判決です。

